アプリで日雇いのような形でアルバイトができるのを見つけ最近始めた。
高校を卒業してからはこのような形の生活が当たり前になっていたが、絵を描きだした30歳からはそれすらも辞めて絵を描き続けるのだと意気込んでこれまで生きてきた。今思えば現実逃避だったかもしれない。無銭で絵を描くため旅に出るという形の放浪の時期が3度あった。いずれも大雨の中野宿していたのを思い出す。浮浪者から缶コーヒーを奢っていただいたこともあった。どうしているかな。自分に鞭を打つようなことをし続けた。これを書いていると当時のことを思い出してくる。そして30代後半には自分の画風が確立されつつあると感じ、これからは収入のことも考えていいのかも知れないと思うようになってきた。結局は画風は確立なんてされていなかったが、このような心境の変化に流されるように、長年踏み切れなかった結婚を決意し2人で当時の自分の画風にあうような場所、ということで大津市に制作活動の場を移した。
これがきっかけで再びアルバイトを再開した。言われたことをそのとおり行うだけでお金を頂けることに感動したのは半年ほど。我に返り、もしくは現実逃避し、こんなことをやっていてはダメだと思い辞めた。その2年後の現在再び日雇いという形で時々工場内軽作業をしている。
1日契約なので自身との葛藤はとても少ない。43歳の夢追い人ではない。ただ趣味で描いている訳でもない。漠然とした目的はしっかりと手に持っている。
こんな生活は嫌だとは全く思わないが、時々社会的な何かと比べてしまったときには苦しくなる。時には地獄にも感じる。比べてしまった自分の愚かさなのは自覚している。
学生時代の金銭感覚で微々たるものだがお金を持つことで気持ちに余裕が生まれる。じっくりと余裕をもって画業に向かえる。こんな日々を送る自分の行いが将来どのような形で実を結ぶのかは分からない。だけど絵を続けていたい。驚かしたい。喜んでもらいたい。